オスロ・フィルハーモニー管弦楽団

ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》（独奏：トゥルルス・モルク）と、シベリウス《レミンカイネン組曲》、“フィンランドの奇跡”クラウス・メケレ指揮

指揮者クラウス・メケレが2023年のプラハの春国際音楽祭でチェコ・デビューを果たした際、会場は大きなどよめきに包まれました。チェコの日刊紙 Lidové noviny が当時“フィンランドの奇跡”と称した彼は、2027年にシカゴ交響楽団の音楽監督とロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任する予定です。今回は、2020年から率いているオスロ・フィルハーモニー管弦楽団とともに再びフェスティバルに登場します。彼らが携えてくるのは、チェコとフィンランドの名曲を組み合わせた洗練されたプログラムです。ドヴォルザーク（1841–1904）の《チェロ協奏曲 ロ短調》を、同作品の録音でECHOクラシック賞を受賞したチェリスト、トゥルルス・モルクの独奏で。さらにフィンランドの民族叙事詩『カレワラ』に着想を得た、シベリウス（1865–1957）の《レミンカイネン組曲》。シベリウス交響曲全集をデッカに録音した北欧の名手たちが、このドラマティックな作品をどのように響かせるのか非常に興味深いところです。Gramophone 誌の批評家は「メケレのサイクルは統一感に満ち、洞察力に富み、美と緊張感に溢れ、これらの作品を永遠に魅力的なものにしている」と絶賛しました。作品に描かれるフィンランドのシャーマン、レミンカイネンの冒険譚は、未知の色彩と感情の世界へと聴衆を誘います。

クラウス・メケレは、比肩するもののない現象といえる存在です。フィンランドの名教師ヨルマ・パヌラに師事した彼は、その確固たる音楽性、エネルギー、大規模な交響作品の構築を見抜く感性によって、世界中の観客を魅了してきました。聴衆だけでなく、オーケストラの奏者たちの心をつかむことでも知られています。彼の指揮の下、演奏者たちはまるで別人のように変貌するといわれ、Chicago Tribune の評で「数ヶ月続いた低調な雰囲気が一変し、メケレのタクトでCSOが全力を発揮する姿は、新鮮なアルプスの空気を吸い込んだようだった」と評されています。

現役のチェリストでもあるメケレが、今回のプログラム前半にドヴォルザークの《チェロ協奏曲》を選んだことは実にふさわしいと言えるでしょう。ドヴォルザークが秘めた愛情を寄せていたヨゼフィーナ・コウニツォヴァへの思いが込められたこの作品を奏でるのは、世界的に名高いノルウェーのチェリスト、トゥルルス・モルクです。彼は長年にわたり、ベルリン、ウィーン、ニューヨークの各フィルハーモニー管弦楽団やボストン交響楽団など、世界屈指のオーケストラと共演してきました。英国誌 The Strad は、「モルクは最初の一音から最後の一音まで聴衆を魅了した。時に繊細で内省的、時に灼熱するように情熱的で、常に私たちを前へと導いた」と評しています。彼の録音はドイツ・グラモフォン、EMI、ヴァージン・クラシックスからリリースされ、グラミー賞、グラモフォン賞、ECHOクラシック賞など数々の栄誉に輝いています。

1919年に創設されたオスロ・フィルハーモニー管弦楽団は、早くから北欧の音楽シーンにおいて重要な存在となっていました。初期にはヨハン・ハルヴォルセン、ゲオルク・シュネーヴォイクト、イグナツ・ノイマルクが指揮台に立ち、1920年代にはアルトゥール・ニキシュやジャン・シベリウス、1930年代にはイーゴリ・ストラヴィンスキーといった名指揮者が客演しています。1940年4月1日、ナチスによるノルウェー侵攻のわずか8日前に行われたヴィルヘルム・フルトヴェングラーの公演は今なお語り継がれる歴史的瞬間です。1960年代以降は、ヘルベルト・ブロムシュテット、マリス・ヤンソンス、ユッカ＝ペッカ・サラステ、ヴァシリー・ペトレンコといった巨匠たちが首席指揮者を務めてきました。メケレのもと、オスロ・フィルは黄金期を迎えています。昨シーズンはザルツブルク音楽祭に出演し、本年度はハンブルクのエルプフィルハーモニー、パリ・フィルハーモニー、ウィーン・コンツェルトハウスでの演奏会が予定されています。2022年のBBCプロムスでは、ピアニストのユジャ・ワンとの共演が The Guardian と The Times の双方から五つ星を獲得しました。

オスロ・フィルの芸術企画責任者アレックス・テイラーはこう述べています。「24年ぶりにプラハを訪れることができ、とても嬉しく思います。今回のプログラムは、私たちのレパートリーの柱ともいえる2つの作品を結びつけるものです。シベリウスの音楽は、卓越した首席指揮者クラウス・メケレと共に歩んできた私たちにとって大変重要な位置を占めています。2022年にデッカから発売された交響曲全集は世界的に高い評価を受け、その後《レミンカイネン組曲》はオーケストラの象徴的なレパートリーとなりました。オスロやツアー先で何度も演奏してきましたが、そのたびに魔法のような音の風景を再発見する思いがします。」

テイラーはさらに続けます。「そして長年の友人であり共演者であるトゥルルス・モルクと再び働けることも素晴らしいことです。彼がドヴォルザーク《チェロ協奏曲》に寄せる特別な思いは広く知られており、その演奏は常に魂と繊細なニュアンスに満ちています。1993年に当時の首席指揮者マリス・ヤンソンスとともに録音した協奏曲は今なお代表的な名演として評価されています。この愛され続ける作品を、プラハのお客様とともに再び分かち合うことは大きな喜びです。」

ブラームスもこの協奏曲に強い感銘を受け、「もしこのようなチェロ協奏曲が書けると知っていたら、私も挑戦していたのに！」と言葉を残しています。
要するに、オスロ・フィルとのこの夜は、19世紀末ロマン派音楽の最高峰を、極めて見事な解釈で堪能できる特別な時間となることでしょう。

プログラムとキャスト

プログラム
アントニン・ドヴォルザーク：チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
ジャン・シベリウス：レミンケイネン Op.22

出演者
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・メケレ – 指揮
トゥルルス・モルク – チェロ